かるちゃど・らぼ

読ませる記事じゃなくて、自分で読み返したくなる記事を書いていけるようになりたいものだ

ITに疎いママたちのティーパーティーはモバイルゾンビ

「LINEがさぁ・・・」

「LINEでね?」

「もう本当にLINEって・・・」

 

あなたがそんなにLINEを嫌っているのはわかったから、まぁ落ち着けって。

 

 今回の話は、スタバで子供を取り巻くネット環境について雑談を繰り広げていた教育ママたち(推定43歳)が実にITに疎い方たちだったというものだ。これが結構おもしろかったので、彼女たちの話を振り返ってみたいと思う。

 

 平日の昼過ぎ、僕はいつものようにスタバでカプチーノのショートを頼んで、充電が可能な席を陣取った。何気なくPCを開いて作業に取り掛かろうかと思っていたら、背後から例のママたちの会話が聞こえてきたのである。

 

 

もう本当に信じられない。いっつもLINEが、LINEが、ばっかりなのよ。なんか中には1日に100件以上のメッセージのやり取りしてる子もいるみたい。もうね、なんか信じられないわ。

 

 

 若者の感覚からしたら、100件なんて別に特筆する必要はだろう。そもそもどうやってその100件って数字は出てきたんだ?盛っているのか?たしかにこの手の人種は盛ることをライフワークにしていることが多い。1を聞いたら10にして他人に伝える。通常時の半沢も驚きの10倍返し。多分あなたたちのほうが大和田常務にとって強敵となることまちがいなしだ。2人集まればもう100倍返し、3人ならば1000倍返し、というようにママの人数が増えるほど話は収集がつかなくなるだろう。

 

 いや、もしかすると未読100件というLINEの表示を盗み見したのかもしれない。それならちょっと待ってほしい。多分ママはグループラインの存在を知らないのだ。例えば学校のクラスのラインがあったとしよう。1クラス40名程度だとすれば一人3メッセージ送るだけで120メッセージだ。ちょっと目を離した隙に未読が100件くらい溜まる事だって想定できる。

 

 もしくはLINE@かもしれない。好きな芸能人、お気に入りのメディア、行きつけのお店、それらのLINE@を読まずに放置しているために未読100件がたまっているのかも知れない。まぁ、要するに未読100件なんて大した事ないってことだ。

 

 そんなことを考えているうちに、LINEの話題は幕を閉じていた。僕は作業に戻ろうとしたのだが、それをする暇もなく、またツッコミたくなる話が聞こえてきた。

 

 

もううちの子もすぐに「通信制限だー」ってうるさいのよ。あれってなんなのかしらね?使いすぎ防止のオプションとかお父さんつけてたのかしら?

 

その通信制限のせいで、WiFiを探さないと落ち着かなくなっちゃってね?何かにつけてWiFiが、WiFiが、って騒ぐのよ。WiFiって赤外線通信みたいなやつよね?それ専用の電波届かないと使えないやつよね。

 

 

 なんか言いたい事はわかる。わかるけれどお父さんは通信制限を操れるほど権限はないし、WiFiは範囲が限定されているのは共通するにしても like 赤外線ではない。そもそも赤外線なんて言葉、もう死語なんじゃないだろうかと思うほど最近耳にしないため、一瞬

 

「セキガイセン?新しいアプリか何かか?」

 

とトンチンカンなことを考えてしまった。もう赤外線なんてしなくてもいいし、そもそも電話帳を交換することも稀になってしまった。あれ、自分もママたちがLINEを怖がる理由がなんとなくわかったきたような気がする。

 

 なんだか彼女たちの話を聞いていると、ITとりわけモバイル技術のスピードに駆逐されていく生ける屍、生きた化石・・・つまりモバイルゾンビになり果てた人間の姿を見ているような物悲しい気分になった。きっと10年後か、もしかするとそれより早く自分もモバイルゾンビになってしまうのだろうか?

 

 それだけ時間が過ぎれば、自分にも息子や娘がいるかもしれない。彼ら、彼女らの悩みに僕はどれだけ寄り添ってあげられるんだろう。「既読スルー」も「スタンプ」も死語になるのだろうか?それはまだ誰も知る事が出来ない近い未来の話なのである。